シロアリは家に出るだけ、庭にいるのはクロアリだけ、このイメージを持っている方は要注意です。
実際、シロアリは庭木にも発生し、シロアリ駆除の対策をしないと、庭木だけでなく家屋にも深刻な影響を与えます。
今回は、庭木で発生したシロアリの害虫駆除方法や被害を最小限にする方法、放置した場合の危険性について解説します。
これらの情報を知れば、より快適な住環境や庭園の環境が守れるようになるでしょう。
シロアリは家にしか出ないという盲点
シロアリといえば建物にだけしか出ないという盲点があります。
実は屋外でもシロアリが繁殖してしまうことは珍しくありません。
もともとシロアリは木材を餌にして生活する習性を持っています。
そのため、庭木を餌にしてしまうことも多いのです。
例えば、ガーデニングを行っている庭付きの住宅にお住まいの方は、シロアリにとっても住みやすい環境になっていることは確かです。
枯れた木や腐った木がある場合は、そこを住みかにすることも多く、放置しないようにしておきましょう。
特に梅雨の時期は湿度が高くなり、木が腐ることも少なくありません。
腐った木があると一気に繁殖することもあるので、そこを足掛かりに庭木のいたるところへ進出する危険性もあります。
腐った木以外にもウッドデッキが施工された場所や枕木、格子状の柵(ラティスや木製のトレリス)といったガーデニングでも定番のアイテムがシロアリの住みかになることがあるので注意しましょう。
庭木に繁殖したシロアリ駆除の方法は?
シロアリ駆除といえば業者に相談するという方法をイメージしますが、庭木に発生した場合は自分でもシロアリ駆除ができます。
その方法は薬剤の算譜や駆除剤の設置です。
まず、薬剤の散布は定番のシロアリ駆除対策です。
毛虫などの害虫駆除作業のようにシロアリに対して有効な薬剤を庭に散布していきます。
直接庭木に散布することも重要ですが、予防的に建物の外周にも散布しておくと、建物への侵入を予防することができます。
また、見えないところでシロアリが侵食していることも多いので駆除する範囲は広めにしておくのがおすすめです。
加えて薬剤の注入も実施しましょう。
薬剤散布は地表や庭木に直接活動しているシロアリには有効なものの、地中や木の中に入り込んだシロアリには効果がありません。
そのため、注入できるタイプのシロアリ駆除剤も用意しておき、シロアリのいそうな場所に注入していきましょう。
薬剤にはいくつかありますが、防カビ成分や防腐剤成分が配合されているものを選ぶと予防効果も期待できます。
注意点としては、きちんとした防護と作業者以外は薬剤に近づけさせないことです。
シロアリ駆除剤は、人体に比較的影響の少ないものを使用していますが、決して健康に良いものではありません。
そのため、過剰な吸入や体への付着は望ましくないでしょう。
シロアリ駆除剤の防護として、マスクをしたり、手袋をしたり、可能であれば防護ゴーグルや帽子をかぶったりして体への付着や吸引を回避するようにしましょう。
作業者以外は薬剤に近づけさせないことも重要です。
特に子どもやペットを近づけると、シロアリ駆除剤で体に不調を訴えることもあるからです。
子どもやペットを家に退避させるか、作業中は外出させるなどして、作業者本人以外が作業範囲内に胃内容にし、安全確保をしたうえで作業させるのが理想です。
次に駆除剤の設置も重要なシロアリ駆除方法です。
これはベイト工法と呼ばれるもので、シロアリが出そうな場所に駆除剤を設置する手段になります。
使用される駆除剤は、置くと置いた場所にシロアリが集まってきて、駆除剤を摂取します。
この薬剤はシロアリの体にダメージを与える薬剤が配合されており、食べると徐々に弱って死んでしまう作用があるのです。
さらに、駆除剤はシロアリが巣に持って帰るので、持って帰った先のシロアリも駆除できるメリットがあります。
効果に時間がかかるものの確実にシロアリ駆除が期待でき、置くだけなので予防的に施工している方も少なくありません。
ただ、浸食が激しい場所に設置しても効果が出る前に末期的な状態になることもあるので、緊急性が高い場所はシロアリ駆除剤の撒布を実施しましょう。
駆除剤の設置は気軽に行えるうえ、子どもやペットの誤飲も少ないメリットがあります。
また、使用する薬剤の多くは、「脱皮を抑制する成分」が含まれており、脱皮を必要としない哺乳類にはほとんど害がありません。
小さな子どもやペットがいる家庭であれば、ベイト工法は安心して使用できる薬剤といえるでしょう。
知っておきたい庭木のシロアリを放置した場合のリスク
シロアリは家の中にいなければ大丈夫と思い、放置してしまう方もいます。
しかし、放置することで次の危険性が増す可能性があります。
倒木で建物が破損する
まず、シロアリ駆除をせずにいると、庭木がどんどん浸食されます。
浸食がすすむと木の内部が空洞になってしまい、強度が非常に低下した状態になるのです。
この状態で強風や地震が発生すると、木が倒壊し近くの建物を破損させてしまう危険性があります。
特に大きな木の場合は、被害も大きくなることがあり、速やかな対応が求められます。
人通りが多い場所や建物に近い場所は自分たちだけでなく周囲の人々に被害が及ぶことも多いので、注意が必要です。
建物に侵入する
シロアリの進出は庭木だけで終わる事はありません。
近いうちに建物にもシロアリがやってくるでしょう。
湿度が高く、暗くて腐った木材が存在するところならどこでも行くので、気づいたら建物がシロアリに浸食されてしまいます。
床下や壁の中に住み着きやすいシロアリは、庭木から侵入されると厄介です。
庭木にいるうちに早めの対応をしましょう。
まとめ
シロアリは庭木にも侵入します。
庭木の場合は、駆除剤の散布や薬剤の設置といった対応で自分でもできますが、建物に侵入されると自分たちでは対応できません。
そうなる前に対応するのがベストですが、進入が疑われる場合は、早めにシロアリ駆除の専門業者へ早めに相談しましょう。