シロアリ駆除を検討しているものの、ペットへの影響が気になって二の足を踏んでいる方は意外に少なくありません。
しかし、近年ではシロアリ駆除に使う薬剤も安全性が高いものになっており、人やペットに悪影響を与えるものがほとんどなくなってきました。
それでもペットへの影響が気になるという方も多いはずです。
そこで今回は、シロアリ駆除がペットにどの程度影響を与えるのか、影響を最小限にするにはどうすれば良いのかといった話題を中心に解説します。
さらにシロアリ駆除をしないことでペットへの影響はあるのかといった点にも触れていきます。
シロアリ駆除がペットに与える影響とは?
結論を言えば、哺乳類には悪影響はほとんどありません。
例えば、犬や猫といった動物のペットには、シロアリ駆除の影響を心配することは、あまりなくても良いということになります。
ただ、注意すべきはそれ以外のペットです。
例えば、カブトムシなどの昆虫や金魚、熱帯魚といった魚類への影響です。
こういった影響が心配される動物に対しては、何らかの対策を立てないと健康被害が起こりうるのです。
即効性が期待されるバリア工法と呼ばれるシロアリ駆除法は、特に心配される駆除法といえるでしょう。
バリア工法とは、一言でいえば薬剤を家屋に直接吹きかけるシロアリ駆除法です。
従来工法とも呼ばれる駆除法で、床下の土壌に隙間なく薬剤を撒布していきます。
哺乳類への影響はほとんどないものの、他の動物に対しては未知数な面もあります。
シロアリ駆除では、こういった駆除法も積極的に行われるので哺乳類以外のペットは注意が必要です。
ただ、ベイト工法に関しては、全てのペットへの影響が少ないといわれています。
このベイト工法は、簡単に言えば毒の餌をシロアリに食べさせて、巣にいるシロアリも撃退するシロアリ除去法です。
かつては、餌も哺乳類などに影響があるといわれていましたが、現在ベイト工法で使うエサは、実質シロアリだけに効果を与えるものを使用しています。
シロアリ駆除のペットへの影響を最小限にするには?
シロアリ駆除をする場合は、餌をシロアリに食べさせるベイト工法は、ペットに影響を与えることはほとんどありません。
しかし、バリア工法に関しては、薬剤を噴霧するので悪影響や被害を考慮する必要があります。
安全性が確認されているものの、もし心配であれば業者に伝える、安全な場所へ移動させる、換気や掃除を徹底するといった3つの対策をしましょう。
業者に伝える
まず、最低限業者にペットがいることを伝えましょう。
可能であれば、犬や猫などの哺乳類か、それ以外かを伝えておくことでシロアリ駆除の方法を変更してくれる可能性があります。
ペットがいるという情報があるだけでもシロアリ駆除業者は、ペットに配慮しつつシロアリの除去を施工してくれる可能性が高くなります。
安全な場所へ移動させる
安全な場所へ移動させるといった自衛策も重要です。
虫や魚類を別の家に預けたり、一時的に屋外にかごや水槽を出しておいたりといった対策を立てます。
また、それが難しければ、カバーをかけるなどして床から漏れ出てくる薬剤を浴びないように予防しましょう。
換気や掃除を徹底する
シロアリ除去が行われた後は、換気と掃除をしっかり行うことも重要です。
自宅の換気をするために窓を開けて空気を入れ替えつつ、影響が出やすい床部分の掃除をしっかり行います。
そうすることでシロアリ駆除前に近い空気になるので、安全度は高まります。
あくまでシロアリが出やすい床下に薬剤が循環する環境を作りましょう。
ペットへの影響を改めて知るために!よく用いられる薬剤5種類
シロアリ駆除で用いられる薬剤は、主に次の5種類です。
1.フェニルピロール系
フェニルピロール系は効果が緩やかで、ペットへの影響も少ない薬剤です。
シロアリが徐々に呼吸障害を起こし、駆除されていく薬剤です。
2.フェニルピラゾール系
フェニルピラゾール系も効果がゆっくりなので、ペットへの影響も少ない安全な薬剤です。
こちらの薬剤はシロアリに神経異常を起こさせて駆除する仕組みです。
3.ネオニコチノイド系
ネオニコチノイド系は、緩やかにシロアリが除去されていく薬剤です。
ただし、昆虫への作用が指摘されている薬剤です。
4.ピレスロイド系
ピレスロイド系は、魚類への影響が指摘されている薬剤です。
哺乳類への影響はほとんどなく、即効性が高い薬剤で、けいれんと麻痺をシロアリに及ぼし、どんどん駆除できるため、用いられるケースも珍しくありません。
5.カーバメート系
カーバメート系は、非常にシロアリの駆除が強力な薬剤です。
どんどん殺虫していきますが、ペットへの影響が指摘されています。
人体にも、過敏な方は影響が出る場合もあるので、駆除が行われたらしっかり換気と床掃除を行って空気を清浄な状態にしましょう。
シロアリ駆除を行わないのも問題!ペットへの影響は?
ペットへのシロアリ駆除の影響が気になるので、あえて行わない方がいますが、それもペットへの影響を与えてしまいます。
カビの繁殖やシロアリの噛みつきによってペットの健康被害が出る可能性があるからです。
シロアリが繁殖する場所は、湿気が多い事がほとんどです。
シロアリが繁殖することでシロアリがカビの胞子を持ち込んだり、シロアリ自身の水分によって、カビの繁殖が促されてしまいます。
これをペットや人が吸い込むと肺炎やアレルギーを発症することがあります。
シロアリの中には獰猛な個体もいます。
兵隊アリとも呼ばれるアリで、犬や猫にかみついて攻撃することが少なくありません。
肉体的にダメージを与えられることも可能性として存在するのです。
まとめ
基本的にシロアリの駆除に用いられる薬剤は安全なものがほとんどを占めます。
そのため、基本的にはペットへの影響が少ないといえるでしょう。
ただし、一部、昆虫や魚類へ影響を与える薬剤もあるので、事前に駆除業者へ連絡して置き、適切な薬剤を用意してもらいましょう。
そうすることで、ペットへの影響は最小限になるだけでなく、場合によっては施工方法も工夫してくれる可能性もあります。
ただ、薬剤の影響を受けないようにカバーなどで覆うなどペットの予防策をとることも重要です。