シロアリ駆除だけに注目していると、実はクロアリによる被害に遭う可能性があります。
クロアリは基本的に庭で生活をしているだけですが、一部のクロアリは家屋に進入して、巣を作る特徴を持っています。
もし、そう言ったクロアリに侵入されてしまうと、室内に多くのアリが動き、食害によって建物や電気器具が破損するといったこともあるのです。
さらに、繁殖して数百匹を超えるようなクロアリが群れるような場所ができると駆除は困難になります。
今回は、クロアリの対策方法について解説し、駆除をして快適な環境を手に入れる方法について解説します。
そもそもクロアリとはどんな昆虫か?
クロアリは、黒とついていますが、実際は赤や褐色、黄色など様々な種類が存在し、日本だけでなく世界中に生息しています。
実は、このクロアリの分類は「ハチ」であり、ハチのような高い社会性を持っているのが特徴です。
ミツバチにみられるような女王の存在や働きバチのように活躍する働きアリ、ミツバチにも存在する兵隊もアリの役割として存在します。
また、多くの方がご存知のように土の中に住処をつくり、女王アリがどんどん産卵することで、仲間を増やしていきます。
この産卵の補助として働きアリが活躍し、女王アリの世話や巣づくり、餌を集めたりします。
クロアリの巣が大きくなったら巣分かれが行われ、女王アリと王様アリが結婚飛行をします。
そして、適切と判断した場所で産卵が行われ、そこでクロアリの繁殖が始まるのです。
ちなみにこのクロアリの集団は、シロアリ駆除もしてくれます。
シロアリを発見すると仲間を呼んで、シロアリを拉致し巣まで運んでいくのです。
シロアリの方が大きいケースも見られるのですが、その体格差を無視して運んでいくことも珍しくありません。
実はシロアリは、皮膚が弱く数分の日光で干からびてしまうことや力が弱い特徴もあります。
その中でも比較的丈夫なのがシロアリの1%しか存在しない羽アリですが、それすらクロアリの敵ではありません。
見つけて生きたまま巣まで運んで餌にしてしまうのです。
ここで、シロアリを餌にするクロアリは共食いのように思われますが、シロアリはアリと名前がついているものの、実際はゴキブリ目シロアリ科の虫、つまりゴキブリの親戚のような虫なのです。
ゴキブリのような強さはありませんが、ひたすら木を食べて、外気(太陽光、風)に触れない蟻道と言う真空になったトンネルの内部を移動する特徴を持ちます。
そう考えるとゴキブリ並みの強さを感じるのではないでしょうか。
ただ、シロアリ駆除がクロアリによって行われても、その一部が家の中に進入して家にダメージを与えてしまっては意味がありません。
建物の種類を問わず内部を攻撃するクロアリ
シロアリ駆除に注目されがちですが、クロアリも様々な建物を攻撃して進入しています。
実際にクロアリといっても日本だけで20種類以上存在し、そのうちの数種類が積極的に建物の壁面を破壊して侵入しているのです。
シロアリは木造の一戸建てだけのイメージがありますが、クロアリはマンションでも被害をもたらす強さを持っています。
特にクロアリの仲間である、次のクロアリは積極的に建物を破壊していきます。
トビイロケアリ
トビイロケアリは、茶褐色の色をした小さなクロアリです。
3mm程度のサイズですが、木造建築の建物によく侵入し、営巣する傾向があります。
獰猛な面を持ち、シロアリの巣に侵入してシロアリを全滅させ、自ら住んでしまう一面のあるクロアリの仲間です。
植木鉢の下などによく営巣ことが多く、キッチンや浴室などの木材の腐朽部や土の中で営巣します。
サクラアリ
サクラアリは、非常にサイズが小さなアリで、1mm程度しかありません(働きアリ)。
後述するルリアリに似ていますが、木の色に似た雰囲気を持っています。
家の隙間に侵入する習性があり、マンションにもひびや隙間を見つけて入り込んでいきます。
窓やベランダ、バルコニーといった場所までよじ登って、そこから侵入するケースも見られるクロアリの仲間です。
ルリアリ
ルリアリは、やや黒に近い紫色のアリです。
2mm程度のサイズでこれまで紹介してきたクロアリの仲間でも中ぐらいのサイズになります。
特徴は、大きな集団で隙間に入り込んでいくことで200匹程度~500匹程度で活動します。
コンセントの隙間にも入り込み、移動可能な場所で暗くて狭い所であれば、どこでも移動していきます。
マンションへの侵入もよく見られることがあり、高層階でも外壁から侵入してくる場合もある、強いクロアリといえるでしょう。
行動範囲が広いため、液晶テレビの液晶内に侵入して営巣を図った例も見られます。
シロアリ駆除以上に難しいクロアリの駆除
シロアリ駆除よりも業者が苦労するといわれているのがクロアリの駆除です。
粘着シートで簡単に捕獲できるので、そこまで脅威を感じない方も多くいます。
しかし、餌タイプの薬剤をあまり食べない、数がとても多い、分散するといった特徴から駆除は手間取ります。
まず、シロアリ駆除で定番の毒餌も、クロアリはそこまで食べません。
そのため、こういった手段も有効性に欠ける場合があります。
次に数が数百匹であり、シロアリよりも大集団になっていることが多く、駆除し切れない、あるいは駆除しても再び繁殖してしまうといったことを繰り返してしまうのです。
最後が分散するので、生態を考えずに駆除を試みると未処理の場所から再度繁殖してしまい、一回の駆除で済まない場合も出てきます。
こういった理由から、業者も本腰を入れて徹底的に駆除することが多く、一般の方では駆除は困難なのがクロアリの特徴なのです。
まとめ
クロアリ駆除はシロアリ駆除よりも困難で、クロアリ自体もシロアリを捕食してしまうほど強さを持っています。
ただ、全てのクロアリがそういった修正を持っているのではなく、比較的小型の3種類のクロアリによって攻撃されることがほとんどです。
駆除もシロアリ駆除より苦戦するケースが多いので、安易に駆除を試みるのではなく、一度専門業者に相談して調査を受けるようにしましょう。