シロアリ駆除の方法とDIY・業者施工のメリットとデメリット

放っておくと家の耐震性を脅かしてしまうシロアリの被害。

シロアリ駆除を自分でやるか業者に依頼するか迷っている方もいらっしゃるかと思います。

そこで、シロアリ駆除の方法と自分で駆除した場合、

業者に依頼した場合のメリットとデメリットをご紹介します。

 

シロアリ駆除の方法にはベイト工法とバリア工法がある

 

ベイト工法の特徴

ベイト工法とは簡単に言えば毒エサを設置して駆除する方法です。

ベイト剤と呼ばれる毒エサを家の周辺やシロアリが通り道にしているところに設置し、

巣に持ち帰らせて巣ごと駆除します。

ベイト剤はステーションと呼ばれる筒状のケースに入れて家の周辺の土に埋めたり、

蟻道と呼ばれる土や糞で作られたトンネル状の通り道の近くに設置します。

ベイト工法ではIGR製剤(昆虫成長制御剤)を使用します。

IRG製剤は昆虫の変態、脱皮をコントロールしているホルモンのバランスを狂わせることで

脱皮や羽化を阻害して死に至らせる殺虫剤です。

 

ベイト工法のメリットとデメリット

ベイト工法のメリットは巣ごと駆除できる点、IRG製剤は昆虫に対して作用するため、

人やペットにはほとんど無害な点です。

土に埋めたり、床下に設置する置きエサになりますので

薬剤が飛散することなく安心して利用することができます。

また、建物に穴をあけることなくシロアリ駆除ができますので、

家を余計に傷つける必要がありません。

デメリットは効果が期待できるまで約2ヶ月~約3ヶ月程度の時間がかかる点、

料金が高い点です。

また、月に1回程度はステーションの中身を確認し、薬剤の補充をしなければなりません。

 

ベイト工法の手順

ベイト工法は以下の手順で行います。

①被害場所の調査

まず、シロアリの被害が出ている場所を特定します。

床下、天井、屋根裏、通気口周辺のほか、湿気の多い水回り周辺を調査します。

これらの場所を調査する際には木材への被害と蟻道があるかどうかをチェックします。

蟻道はシロアリがいるサインとなりますが、蟻道が見当たらない場合があります。

その場合は「打診」という木材を叩いた時の音で

シロアリ被害を受けている場所を特定します。

 

②ベイト剤の設置

ベイト剤をステーションに充填し、およそ3m間隔で建物の周囲に埋め込んでいきます。

蟻道がある場合はその周辺に、被害を受けている木材には直接貼り付けて設置します。

 

③定期点検

約1ヶ月に1回程度、ベイト剤をシロアリが食べているかどうか、

ベイト剤が足りなくなってないかを確認します。

空になっているステーションにはベイト剤を補充します。

 

バリア工法の特徴

バリア工法は建物の木材部分に薬剤を吹き付けたり、

木材に穴をあけて薬剤を注入してシロアリを駆除します。

また、床下の土にも薬を散布して薬剤でバリアをつくります。

バリア工法は従来から行われてきた方法で、薬剤がついていない部分に対しては効果がなく、

巣を根本から駆除することを目的としていませんので、

建物の中にシロアリが侵入してしまっている場合には適していません。

逆に、床下の土壌から家屋に浸入してくるタイプのヤマトシロアリ、イエシロアリには

床下の土に薬剤を散布することで上に上がってこれなくなり、侵入を絶つことができます。

ネオニコチノイド系の即効性があり残効性の高い殺虫剤を使用します。

 

バリア工法のメリットとデメリット

バリア工法の最大のメリットは即効性が高いという点です。

また、短時間で広範囲のシロアリを駆除することができます。

薬剤の効果も約5年程ありますので、約5年間はシロアリから家が守られます。

デメリットは人や動物に影響がある可能性があるため、

子供やペットがいるお宅では施工する日は作業に近づかないように気を付けた方が良い点です。

 

バリア工法の手順

バリア工法は以下の手順で行います。

 

①木材への穿孔注入

シロアリの被害を受けている木材すべてにドリルで穴をあけて中に薬剤を注入します。

注入後は木栓で穴を塞ぎます。

シロアリ被害を受けやすい水回り周辺の床下には被害がなくても

木材に穿孔注入を行うこともあります。

 

②木材への吹付け処理

噴霧器で木材の表面に薬剤を吹き付けて駆除・予防をします。

被害がない木にも薬剤を散布してバリアを張ります。

 

③土壌処理

床下の土壌の表面に薬剤を散布します。

土壌に薬剤のバリアを張ることで、

シロアリが土の中から建物に上がってこれないようにします。

 

シロアリの駆除をDIYする場合のメリットとデメリット

シロアリの存在が分かった時、

とりあえずは自分で何とかしてみようと考える方が多いのではないでしょうか。

ここからはDIYと業者施工のメリットとデメリットをご紹介します。

 

シロアリ駆除DIYのメリット

シロアリ駆除を自分でやる最大のメリットは費用が安く抑えられるという点です。

市販の薬剤には簡単に取り扱えるものも売られているため、素人でも使うことができます。

また、業者が入る日の為にスケジュールを開けておく必要がなく、

自分の好きなタイミングで作業をすることができます。

 

シロアリ駆除DIYのデメリット

自分で駆除をしようとしてもどうしても知識不足や技術不足で完璧な駆除が難しくなります。

シロアリの種類や生態についても詳しくない為、

薬剤がそのシロアリに効果があるのかもわかりにくいですし、

どこに巣があるのか見つけられない場合もあります。

床下に潜って作業することも慣れない作業なので時間がかかります。

結果的に完璧に駆除できずシロアリが再度出現してしまう恐れがあります。

 

シロアリの駆除を業者に依頼する場合のメリットとデメリット

業者のシロアリ駆除のメリット

業者はシロアリの生態やシロアリが及ぼす被害に精通していますので、

効果の高い駆除方法を行い、巣ごと退治してくれます。
建物の被害に応じて状況に合った駆除を行ってくれますので、

再びシロアリが発生する可能性がDIYに比べてグンと減ります。

 

業者のシロアリ駆除のデメリット

業者に依頼する最大のデメリットは費用面です。

やはりプロに依頼するため、自分でやるよりは費用がかかります。

また業者選びの比較・検討が面倒だったり、作業日を開けておかなければなりません。

 

シロアリ駆除は業者に依頼した方が効果がある

ベイト工法もバリア工法も自分でできるように薬剤や機材が売られています。

しかし、シロアリ駆除は業者に任せた方が安心です。

素人ではなかなかシロアリの棲み処が特定できなかったり、

床下に入っての薬剤散布は非常に困難です。

また、シロアリは数万匹にもなると言われていますので、

大量のシロアリをDIYで根絶させるのは難しいといっていいでしょう。

業者は効果的な駆除方法に精通していますので、シロアリを効率的に根絶してくれます。

シロアリは家の構造を破壊してしまいますので、

駆除はなるべく早く業者に依頼するのがおすすめです。