シロアリは家の木材を浸食し、柱をスカスカにしてしまうと
耐震性への影響や建物の倒壊にもつながりかねません。
そこで、柱にシロアリがいるかどうかを確認する方法や
シロアリの被害を受けた場合の補修方法をご紹介します。
柱にシロアリの被害を受けたら早めの対応が肝心
もし、柱がシロアリの被害を受けてしまった場合は早急に補修する必要があります。
シロアリが柱を食べると柱の中がスカスカになってもろくなり、
ちょっとした地震で柱が折れてしまう危険性があります。
柱1本あたりが支えている重量は相当なものです。
柱がシロアリに浸食されたままにしておくと建物が倒壊してしまうリスクもあります。
また、シロアリは柱の内部を浸食していくため、
外側からはなかなか気づきにくいという特徴があります。
普通に室内に見えている柱が
実は中がシロアリにやられてスカスカになっていた、というケースもあります。
もし、シロアリの被害を受けているかどうか分からない場合は
すぐにシロアリ調査を依頼して確かめるようにしましょう。
柱にシロアリ被害を受けているか確認する方法
ドアの建付けが悪くなった・床に歪みがある
柱や床下がシロアリに浸食されると家に歪みが出るために
ドアの開閉がしづらくなったり床が傾いたりします。
歩くと床がきしんだり、フカフカしたりすることもあります。
経年劣化により家に歪みが生じることもありますが、
シロアリ被害の場合は経年劣化が起こる時期とは違う時期に起こるため、
経年劣化よりも早い時期に歪みを感じた場合はシロアリ被害を疑った方が良いでしょう。
柱を叩くと空洞音がする
柱が食害に合うと内部が空洞になります。
そのため、柱をハンマーで叩くと「コンコン」という空洞音が響きます。
通常の木材は中が詰まっているため音が響きません。
酷い場合は表面が薄くなっていて
手で軽く押しただけでへこんだり穴が開いてしまうこともあります。
室内に木くずが落ちている
シロアリが柱を食べた時に木くずが出ますが、
これが柱の周辺の床に落ちていることがあります。
木くずと一緒にシロアリのフンが見られることも多く、
見かけた場合はシロアリ被害の可能性が高くなります。
シロアリは木材の中で木を食べながら移動していきます。
家の複数の場所に木くずやフンが落ちている場合は
被害が家中に広がっている可能性があります。
室内で羽アリを見た
室内で羽アリを見た時は要注意です。
羽アリは4月~7月にかけて増えますのでこの時期は特に注意が必要です。
羽アリを家の中で見かけた場合、家に巣を作られているサインとなります。
また、家の中だけでなく庭先で見かけた時にもシロアリが庭に巣を作り、
家の中に入って食害している可能性がありますので注意してください。
シロアリ被害の柱の補修方法と費用
柱へのシロアリ被害があったときの補修方法は柱の補強をするか柱そのものを交換します。
被害が少なければ補修、被害が大きければ交換となります。
柱の補修
柱の内部への浸食がそこまで深刻化していない場合は
薬剤で柱の中のシロアリを駆除した後に柱を補修して補強します。
部分的な補修であれば約1万円程度~約5万円程度が費用相場です。
柱の交換
被害が大きい場合は柱そのものを交換しなければなりません。
柱は基礎に固定されていますので、
家が出来上がった後の柱の交換は大掛かりになるため費用も高くなります。
柱交換の費用相場は約30万円程度です。
土台も交換する場合はさらに約20万円程度かかります。
確定申告の雑損控除が適用される
雑損控除とは災害、盗難、横領などによって
資産に損害を受けた場合などに所得の控除が受けられる制度のことです。
シロアリの駆除費用は必要書類を提出することで
確定申告により雑損控除を受けることができます。
申告で必要な書類は以下のようなものです。
・確定申告書
・シロアリ駆除費用の領収書
・被害箇所の補修費用の領収書
・源泉徴収票の原本(給与所得がある場合)
上記の書類を揃えて確定申告をすることで雑損控除により所得税が減税されます。
柱の補修後にしておくこと
柱を補修した後はしっかりとシロアリを駆除し、
さらに防蟻処理、定期点検を行うことが大切です。
せっかく柱を修理したのにわずかにでもシロアリが残っていたり、
再び発生してしまうとまた膨大な修理費用がかかってしまいます。
柱の補修後は徹底的にシロアリが発生しないように対策をしましょう。
防蟻処理
シロアリの予防方法には2種類あります。
・バリア工法
バリア工法は柱の周りや床下に忌避剤をまいたり、
木材に穴をあけて薬剤を注入するやり方です。
即効性があるのが特徴です。
・ベイト工法
ベイト工法とはいわゆる毒エサで、ステーションという入れ物に入れたベイト剤を
家の周辺の庭に設置してシロアリに持ち帰らせて駆除する方法です。
効果を発揮するまでにやや時間がかかるものの、
巣を根絶やしにできるというメリットがあります。
定期点検
シロアリの防止処置はだいたい5年程度で効果が切れます。
そのため、約5年程度に一度は定期点検を行い、必要に応じて防蟻処理を行うことが大切です。
シロアリ業者の多くは駆除後のサポートで
保証制度や定期点検を設けているところが多くありますので
あらかじめ駆除後のサポートも確認しておきましょう。
DIYはおすすめできない
シロアリ駆除はお金がかかるのでDIYで補修したい、
被害が少なそうだから自分で補修したい、と思われる方もいらっしゃると思います。
結論から言えばシロアリによる被害の補修はDIYはおすすめしません。
表面上大したことがなくても
床下など家の見えない場所が大きな被害に遭っている可能性がありますし、
実際にどれくらいの数のシロアリが潜んでいるかはわかりにくいものです。
また、補修できたとしてもわずかにシロアリが生き残っていた場合、
また同じように食害に遭ってしまいます。
プロはシロアリの生態を熟知していますので、
被害の状況を見てどれくらいの数のシロアリがいるのかを把握し徹底的に駆除します。
リフォームも対応しているシロアリ業者であれば
駆除と柱の補修を同時に行ってくれ、費用的にもお得になります。
シロアリ被害は家の耐震性にも影響しますので、なるべくプロに任せるようにしましょう。
柱にシロアリ被害を見つけたらすぐに対応しましょう
シロアリの被害は住んでいる人が思っている以上に深刻になっていることが多いものです。
この記事でご紹介したような兆候を見つけたら早めに業者に連絡しましょう。
また、少しでもおかしいと思ったらシロアリがいるという確証がなくても
一度業者に連絡し、点検してもらうことが大切です。