床下に入れない家でもシロアリ駆除は可能 シロアリ駆除の方法

最近では床下がない家が増えています。

床下に入れない家にシロアリが発生した場合、どのように駆除したらよいのでしょうか。

そこで、床下に入れない家でのシロアリ駆除の方法をご紹介します。

 

床下の余白がない家でもシロアリは発生する

最近では高気密高断熱といった性質を家に持たせるために床下をコンクリートで埋める住宅が増えています。
しかし、床下が無いからといってシロアリ被害に油断はできません。

 

床下の無い家

日本の住宅は古来から床を地面から高く設置して床下に風が通るように造られてきました。

しかし、最近では高気密高断熱を重視して床下をコンクリートや砂利で埋める住宅が増えています。
床下の隙間を埋めることで室内の温度が逃げずに済み、冷暖房効率の高い快適な家を実現することができます。

 

わずかな隙間にシロアリが発生することがある

床下がない住宅はシロアリ対策に最適と言われることもありますが
シロアリはわずかな隙間さえあれば侵入が可能なため
床下を埋めていても隙間から侵入して被害を出すことがあります。

しかも床下がない住宅は高断熱である反面、床下の通気ができず、湿気がこもりがちです。
シロアリは湿度の高い場所を好みますので、むしろ湿気がこもった隙間の中は快適な環境となってしまいます。

 

床下に入れない家のシロアリ駆除方法

床下に余白がない家のほか、点検口がなく床下に入ることができない家では
以下のような方法でシロアリ駆除を行います。

 

和室の敷板をめくって床下を露出する方法

床下を埋めている建物では和室の床を露出する方法を取ります。
畳をめくり、敷板を剥がすだけで床下に入ることができるケースが多く比較的簡単な方法です。

和室以外の床の場合、床に3mmほどの穴をあける面下処理を行って床下を露出させます。

 

通気孔から薬剤の散布を行う

通気孔から薬剤を散布できそうな場合は通気孔にノズルを挿入して薬剤を散布します。
床下に入って施工するのと違い、隅々までしっかりと薬剤が届いているか注意して行う必要があります。

 

土台の隙間から薬剤を散布する

建物の土台と基礎に隙間がある場合、隙間から薬剤を散布します。

在来工法からユニットバスにリフォームした場合には
基礎と土台の間に隙間ができやすいため、この隙間を狙って施工します。

この方法は浴室の下など狭い範囲では効果がありますが
床下に入れない範囲が広い場合、基礎ぎわまでの直線上に障害物がある場合は
薬剤を隅々まで散布することが難しくなります。

 

点検口を新たに作る

これまでは点検口がなかったが、いっそのこと点検口を作ってしまおうという方法です。

通気孔がなく、周囲が完全に基礎で囲われている場合や
床下のシロアリ被害の状態がどのようになっているのか分からないという場合に有効です。

点検口設置方法は和室の畳を剥がし、その下の敷板に切り込みを入れる方法
またはフローリングに切り込みを入れて点検口を作る方法があります。

 

ベイト工法でシロアリ駆除を行う

床下がない、または床下に余白がなく床下からのシロアリ駆除を行えない場合は
ベイト工法でのシロアリ駆除を行います。

詳しくは下の項で解説しますが、いわゆる毒エサを使って駆除する方法
、効果が出るまでに時間はかかるものの安全にシロアリを駆除することができます。

 

シロアリ防除の方法は2種類ある

シロアリ駆除の方法には「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類があります。

 

バリア工法

バリア工法は木材や土壌へ薬剤を散布する方法で
現在発生しているシロアリを素早く確実に駆除できる方法です。

バリア工法のメリットは即効性と価格の安さです。
バリア工法はシロアリの発生している場所に薬剤を散布しますので、施工したその日からシロアリ被害が止まります。
作業も1日で済みますので、コストもかからず費用が安くなります。

デメリットとしては安全な薬剤ではありますが、薬を散布するので
小さなお子様やペットがいるご家庭では気になる方も多いでしょう。

また、木部処理の際には木に穴をあけます。
建物の耐久性には問題はありませんが、気になる方には向いていません。

 

ベイト工法

ベイト工法はステーションと呼ばれる筒の中に
ベイト剤という毒エサを家の周りの地中やシロアリが発生している場所に置き
シロアリにベイト剤を食べさせて巣ごと根絶させる方法です。

ベイト剤は昆虫の脱皮を阻害する物質が入っており、それがシロアリを死に至らしめるため
人間や動物、鳥類などには影響を及ぼさず、安全にシロアリ駆除を行うことができます。

また、ベイト剤を食べていないシロアリにも効果を発揮するため、巣ごと根絶やしにすることができます。

安全かつ確実にシロアリ駆除ができるほか、臭いもなく、木材に穴をあけることもありません。

一方、即効性が低いため、効果が出るまでに約6ヵ月程度~約1年間程度かかります。

その間、約2週間~約4週間おきにベイト剤がなくなっているステーションに
ベイト剤を補充するメンテナンスを続けることになりますので施工費用が高めになります。

 

シロアリ駆除は業者に依頼するのがおすすめ

シロアリ駆除をDIYで行おうと考える方もいらっしゃるでしょう。
ホームセンターには薬剤や機器が売っていますので、自分でもシロアリ駆除をすることはできます。

しかし、シロアリ駆除はプロに依頼した方が良いです。
シロアリは全滅させないと意味がありません。
一部でも残っていると再びシロアリが増え、被害が広がってしまいます。

シロアリ業者は豊富な経験からシロアリがいる場所を特定して駆除を行うほか
隅々まで薬剤を施工して確実に処理します。

シロアリ駆除は確実に行うことが大切ですのでプロに依頼するようにしましょう。

 

床下に入れない場合でもシロアリ駆除はできます

床下に余白がない家でもシロアリ被害は起こりますので注意が必要です。

また、床下に入れない家でもシロアリ駆除はできますので
まずはシロアリ業者に現地調査で見てもらうのがおすすめです。

シロアリ業者は家の構造に合った工法で確実にシロアリ駆除を行いますので
悩まずなるべく早めに業者に相談するようにしましょう。